【新唐人2012年12月30日付ニュース】最近、中国共産党中央政治局が経済工作会議を召集し、“都市化”が来年の当局における経済工作の重要な足がかりであると発表しました。農民を利用して政権を取った中国共産党は、政権掌握後は農民を“二等公民”としてしましました。しかし、経済が前進困難な事態に直面すると今度は“都市化拡大“で農民の命綱である土地まで奪おうとしています。農民が再度生存問題に直面すれば、社会問題がさらに激化する可能性があります。
李克強副首相は省・部クラスの官僚の養成訓練の際、“将来性の大きな都市化は、中国の経済成長を促す最も強大で持続可能な内生的動力である”と述べました。
“中新網”は16日、複数の専門家の話として、新たな都市化は中国経済の新たな成長点に位置付けられ、改革の重要なボーナスであり、来年の経済工作の重要な足がかりであると報道しました。
北京の財経評論家・鞏勝利(きょう しょうり)さんは、中国共産党のこの措置は、再生不可能な土地資源を更に多くの資金に変え、農民が巨大な経済的プレッシャーに直面しているときに、さらに、農民の利益を犠牲にするものだと指摘します。
「国情内参」主幹研究員 鞏勝利さん
「政府は農民の土地を1ムー(66,7000㎡)あたり数千~1万元ほどで買い上げます。都市化した後は不動産として1㎡当たり数千~1万元で売ります。政府は繰り返し投機売買して、都市の土地に変えます。その価値は数千~数百倍になっているのです」
鞏さんは、当局が農民の土地を都市の土地に変えてしまうと、農民は行き場を失ってしまうと指摘します。
「国情内参」主幹研究員 鞏勝利さん
「農民が土地を失ったらどうやって生きていくのか、これは重大な問題です。この経済会議は2013年の中国において矛盾です。土地を失った農民が町に来て何をしますか?彼らに何ができますか?」
李克強副首相は会議でさらに、都市化拡大は投資の大幅な成長と消費の迅速な増加をもたらすと述べました。一方、アメリカ・ニューヨークシティカレッジの経済学教授・陳志飛(ちん しひ)さんは、都市化拡大は中国の貧富格差と低迷する不動産市場のためにとった措置で、絵に描いた餅で空腹を満たすようなものだといいます。
米ニューヨークシティカレッジ 陳志飛教授
「しかし実際は流動人口の不動産購入は1%にも満たず、結果として、資源の更なる浪費になります。多くの資金は見た目のよいプロジェクトに浪費されるでしょう。農村人口が都市に来ても仕事が見つからない、子供が就学できないのです。関連プロジェクトが予想した効果を達成できなければ、居住人口(農民工)が不満を持ち始め、社会矛盾の原因となるのです」
陳教授は、中国の貧富の差は、海外支援に頼っているアフリカのゆがんだ経済と同じ状態で、中国の特権階級が改革開放の名を借りて、国家資源を欲しいがままに略奪し、民衆を搾取したことが原因だとし、共産党が存在する限りこの格差は拡大するばかりと指摘します。
米ニューヨークシティカレッジ 陳志飛教授
「彼らに内需を促進させようと思うことは実に愚かな考えです。これらの出稼ぎ労働者や都市に来たばかりの人に、あのような高価なものを買うことは不可能だからです。裕福層のようにたくさんの不動産を購入したり、共産党官僚のように国の財産を湯水のように使い、観光旅行や愛人を作るなどで内需を拡大することは出来ません」
社会における所得分配の不平等さを測るジニ係数。中国では特権階級の隠れ資本を含まない状況下で、すでに0.6を超え、警戒ラインの0.4をはるかに超えています。陳さんの研究によると、中国のジニ係数はすでに世界のトップテンに入っているそうです。
都市化を拡大しないと、中国の貧富の差はますます広がり、すでに中国共産党の執政地位を脅かすまでに来ています。一方、都市化建設を進めると、農民が土地を失うなどの一連の問題が生じるうえ、都市化の過程の中で特権階層が民衆から略奪するのは必至です。多くの専門家は、都市化によってさらなる深刻な危機を招く可能性があると見ています。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)